歯周病はメタボリックドミノのはじまり

歯周病は歯を支えている顎の骨の病気ですが、どんな病気にも必ず“はじまり”があるもので、歯周病にも初期段階というものがあります。

歯周病の初期「歯肉炎」

歯周病の初期段階の状態を「歯肉炎」と呼びます。

歯肉炎は歯の付け根にある歯肉溝にプラークが付着した状態が数日続くことで発症します。

ここでいう数日とは4日〜1週間くらいのことです。

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プラーク中の細菌の中には『グラム陰性菌』といって毒素を出すだけでなく細菌の細胞壁自体に毒を帯びているものがいます。

グラム陰性菌の特異的な性質によって体の免疫が反応し炎症を起こし、歯茎を腫れさせて「歯肉炎」という状態を引き起こすのです。

 

歯肉溝を全部合わせるとどれくらいの面積になるかご存知ですか?実は歯肉溝の面積は手のひらくらいあると言われています。

つまり歯ブラシを全くしていない人は手のひらにやけどを負っているような状態となるのです。これが長く続いて良いはずがありません。

 

歯肉炎の次の段階「歯周病」

最初は歯ぐきだけの炎症だったものが、やがて広がり骨に達します。これが『歯周病』です。

 

歯周病は歯の植わっている骨(歯槽骨)の病気です。

例えば、手の骨が壊死して無くなったらどう感じますか?とても異常な状態だと感じるはずです。

 

しかし、歯周病は本人からは見えない口の中で発生しますし、ゆっくり進むので痛みに慣れたり、違和感程度にしか感じないことからその異常性を理解されにくい病気です。

しかし実際は手のひらほどの面積の骨が細菌感染による免疫反応によって壊され失われていく病気なのです。

 

歯周病の段階に入ると細菌は血管を通って全身を巡るようになります。

これが新たな病気の始まりです。今では8種類以上の病気と関連していることが分かってきており世界各国で研究が進められています。

歯周病が引き起こす「メタボリックドミノ」

メタボリックドミノという言葉を聞いたことがありますでしょうか。

メタボリックドミノとは簡単な初期的な病気が原因で次の大きな病気を引き起こすというドミノだおしのことです。

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例えばお口の中が汚れている状況で間違って唾液が気管の中に入ったことを想像してみてください。

気管を通った唾液は肺に達し感染を起こし「肺炎」という病気を引き起こすことが想像できます。

特に高齢になり咳反射が弱く慣ればなるほど寝ている間や何かの拍子に飲み込んでしまってもそれを外に排出する反応が鈍くなるので起こりやすく実際に死因のトップ3にもなっている病気です。

このように1つの病気が次の病気を惹起する流れがまるでドミノだおしのように続くことから「メタボリックドミノ」と呼んでいるのです。

例えば多摩市の歯周病検診の結果を見てみると受診者433人のうち376人が“要精密検査”という結果になっています。

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多摩市から少し範囲を広げて多摩地域全体に目を向けてみると受信者11857人のうち8879人が「要精密検査」という結果にもなっています。

つまり多摩市だけで言えば86%以上の人が歯周病であり、多摩地域全域で見ても74%以上の受診者が歯周病の疑いありと診断されているのです。

 

今度は多摩市の死因別のデータと比べて見ましょう。

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南多摩保健所のまとめたデータによると多摩市民の死因のトップは癌、ついで心疾患、肺炎、脳血管疾患となっています。

実は死因となっている多くの病気と歯周病が関連していることが多くの研究からすでに分かっているのです。

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歯周病とこれら全身の病気との関係は以前の記事をご参考にして下さい。

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当院は歯周病を専門的に治療している多摩市の歯医者さんという位置付けでありますが、歯周病に限らずお口のケアから全身の健康を取り戻せるようにという思いで日々治療に当たらせて頂いております。

 

歯周病を予防してメタボリックドミノを予防しよう!

メタボリックドミノの最初の段階は生活習慣、虫歯、歯周病です。そして歯周病は歯肉溝から始まります。

 

手のひらほどもある歯肉溝、されどたった手のひらサイズの歯肉溝を毎日綺麗にするだけで歯肉炎を防ぎ、将来の歯周病も防ぐことが出来るのです。

同時に虫歯の発生しやすい歯間部や咬合面を綺麗に保てば虫歯も予防することができ、歯を失う病気の74%を予防することができるようになるのです。

 

歯周病を予防してメタボリックドミノが連鎖しないようにしていきましょう!

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