歯周病治療ビフォーアフター
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歯周病治療について
歯周病は長い年月をかけて起きた病気です。お口全体に歯周病菌が広がり、通常のクリーニングではバクテリアを除去しきれないことも少なくありません。そのため、お口の状況に合わせて必要な治療計画を立て、患者様とともに実行していくことが必要です。
歯周病治療は主に次の4つのステップを経て治療していくことになります。
ステップ1:歯周基本治療
ステップ2:歯周外科治療
ステップ3:歯周補綴治療
ステップ4:メインテナンス
それでは実際の患者様を例に治療の過程を見ていきましょう。
当院で実際に行った歯周病治療
こちらの患者様は全体的に歯が揺れるということで当院にいらっしゃいました。これまで歯が痛い時に歯科医院を受診するだけで特に歯周病についての説明は無かったようです。
初診時
歯周病の精密な検査をしてみると全体的に重度の歯周病になっているのが判明したので、一眼レフカメラやレントゲン装置を使ってお口の情報を集め治療計画を練ります。

ステップ1歯周基本治療
歯周基本治療はすべての歯周病治療の基本となる治療です。まずは歯周病についての説明を写真や絵本を使用して理解していただいた後に患者様ご自身が一番気になっていることから治療を始めます。
初診時
歯周基本治療中
この方の場合、前歯の揺れが特に気になるとのことでしたので、専用の接着剤を使って固定することから始めました。その後、左上の前から2番目の歯は歯周病の状態がひどく抜かなければ隣の歯に悪影響を及ぼしてしまうため抜歯をし、仮歯を使って機能性と審美性を維持しました。その後は「スケーリング」「ルートプレーニング」といって歯茎の中に埋もれている歯石や細菌の塊をクリーニングしました。
矯正治療前
矯正治療開始6ヶ月後
この患者様の場合、歯周病によってもともと綺麗に並んでいた歯が動いてしまったので歯列矯正治療も行いました。歯周病の場合、健康な歯茎に比べて歯が動きやすいので、約6ヶ月で矯正治療が完了します。
矯正を行うメリットは見た目だけではありません。「歯並びが良い」ということはプラークなどが溜まる場所が少なくなり、歯ブラシがしやすくなるからです。また矯正治療前は悪かった噛み合わせのバランスが良くなるので、全体で荷重を負担することが出来ます。その結果歯周病の再発予防に効果があるのです。
ステップ2歯周外科治療
軽度の歯周病であれば歯周基本治療で完治することがほとんどです。しかし重度の歯周病の場合、基本治療だけでは感染を取り除くことができず、外科治療によって歯周病菌を除去しなくてはなりません。
“手術”と聞くとなんだか怖く聞こえてしまうかもしれませんが、クリーニングの延長と捉えていただく方が正しいかもしれません。研究から5㎜を超える歯周ポケットがあると専門医によるクリーニングであったとしても感染源を除去しきれないことが分かっています。
そこで歯周基本治療後にまだ残っている歯周ポケットに対しては一歩進んだクリーニングを行わなければならないのです。
手術は通常の歯科治療と同じ麻酔を使い日帰りで行うことができます。術後は糸で縫合を行い、元の状態にします。よくある質問として「術後に食事はできますか?」というのがありますが、多くの方が通常通り食事をとることができ、痛み止めも飲むほどではなかったと話しています。
痛みに関しては個人差がありますので全員が全く問題ないとは言えませんが、多くの方が想像よりも術後の不快症状が少なかったと感じているようです。
歯周外科治療直後
傷口は1週間で閉じますので、その辺りで縫合した糸を取り除きます。術後2ヶ月経つと歯茎の中の組織が安定し、ほぼ見た目は分からなくなります。 外科治療は通常、必要な歯を数本まとめて行います。歯周外科治療の本来の目的は感染源や歯周ポケットを除去する事ですが、この時に「再生療法」といって歯周病によって失われた歯槽骨などの歯周組織を再生させる治療方法が選択されることもあります。
歯周外科治療1ヶ月後
ステップ3歯周補綴治療
“補綴”と書いて“ほてつ”と読みます。歯周補綴治療では歯周病によって失った歯の機能を回復していきます。この患者様の場合、歯周病によって左下の歯を失ってしまったのでインプラント治療で噛み合わせを作っていきました。
「インプラント」に対して良い印象をお持ちの方が少ないようですが、これは一度治療を終えた後にメインテナンスなどに通われていないことが原因のことが多いです。
インプラント治療前
インプラント治療後
実は歯科医院で行える補綴治療は次の3つしかありません。
ブリッジ
入れ歯
インプラント
ブリッジとは抜けた歯の両隣の歯を削って被せ物でつなげて治す方法です。一般的な治療法ですが、削らなくてはならない部分が多く、両隣に歯がなければ行うが出来ません。
ブリッジ治療後
入れ歯とはご存知の通り、取り外し式の装置を指します。実はこの方も最初は入れ歯をつけていました。「一般的な入れ歯」は金具で他の歯に引っ掛ける入れ歯は繊維質の食べ物が挟まりやすく、咬合力も天然の歯の1/6くらいしか出ないため結局美味しく食事をとることが出来ません。
「コーヌステレスコープ義歯」と呼ばれるドイツ式の入れ歯であれば噛み合わせの力が出やすく、引っかかる金具の数も少ないのですが、この患者様の場合はその入れ歯には適しておらず、インプラント治療が最適な治療法となりました。
ステップ4メインテナンス
虫歯や他の病気と同様に歯周病も治療が終了したらもう大丈夫というわけにはいきません。多くの研究から3ヶ月に1度メインテナンスに通うことで歯を最大限に保存でき、不定期にメインテナンスで通うと歯を喪失する確率が上がることがわかっています。そこで当院では3ヶ月に一度のメインテナンスをおすすめしています。


また歯周病の精密検査以外にも定期的な「レントゲン撮影」が効果的です。レントゲン撮影では肉眼では見ることのできない場所を観察することが出来るため、何か問題があっても早期発見、早期治療が出来るからです。レントゲンに関しては被曝量を気にされる方がいらっしゃいますが、最近のレントゲン装置は性能が上がってきており被曝量が昔と比べてうんと少なくなりました。

例えば日本人の場合、「自然被曝」といって普通に暮らしているだけで年間「1.5ミリシーベルト」の放射線被曝をしています。さらにアメリカまで飛行機で旅行に行くだけで約0.2ミリシーベルトの被曝もします。歯科医院で使用するレントゲンは0.1ミリシーベルト近辺で、実は海外旅行に行くよりも被曝をしていないのです。また200ミリシーベルト以下の被曝量では健康に影響がないことも分かっていますので、安心して検診を受けるようにしてください。
また30歳を過ぎると歯周病になる確率が急上昇しますので、予防のために歯科医院で精密な検査をしてもらうことをおすすめします。
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