
「キスや食べ物の口移しで、赤ちゃんに歯周病がうつるの?」というご質問をいただきます。この記事では、歯周病菌が家族の間で移る仕組み、赤ちゃんへの影響、過度に心配しすぎずにできる対策を歯周病専門医が解説します。
この記事のポイント
- 歯周病菌は、だ液を通じて家族の間で移ることがある
- 赤ちゃんは歯が少ないため、すぐに歯周病になるわけではない
- 2歳ごろまでは口の中の細菌のバランスが決まっていく時期で、この時期の影響が将来のリスクに関わる
- 一番の対策は、周りの大人が歯周病を治療し、口の中の細菌を減らしておくこと
歯周病菌は家族の間で移る
歯周病は、歯周病菌による感染症の一面を持っています。歯周病菌はだ液に含まれるため、キスや、大人が使ったスプーン・箸での食事、口移しなどで、家族の間で移ることがあります。親子や夫婦の間で、同じタイプの歯周病菌が見つかることも報告されています。
赤ちゃんにうつるとどうなる?
生まれたばかりの赤ちゃんは歯がほとんどないため、歯周病菌が入ってもすぐに歯周病になるわけではありません。
ただし、2歳ごろまでの赤ちゃんの口の中は、いろいろな細菌が入ってきて、細菌同士が勢力を広げ合っている時期です。このときに周りの大人から歯周病菌が多く入ると、口の中の細菌のバランスとして歯周病菌が多い状態になり、将来歯周病になるリスクが上がると考えられています。
| 時期 | 口の中の状態 | ポイント |
|---|---|---|
| 0〜2歳ごろ | 細菌のバランスが決まっていく時期 | 大人の口の中の細菌が移りやすく、影響を受けやすい |
| 乳歯がそろう頃〜 | 細菌のバランスが落ち着いてくる | 歯みがき習慣と定期検診で、むし歯・歯肉炎を予防 |
| 思春期〜大人 | 歯周病が起こり始める年代 | 歯ぐきの出血など、歯周病のサインに注意 |
スキンシップをやめる必要はない
細菌が移るのを完全に防ぐことは、日常生活の中では現実的ではありません。スキンシップは赤ちゃんにとって大切なものです。神経質になりすぎず、次のようなポイントを意識していただければ十分です。
- 周りの大人が歯周病を治療する:お口の中の歯周病菌を減らすことが、最も効果的な対策です
- 口移しや、かみ与えは避ける:だ液が直接入る機会を減らす
- 食器を分ける:大人が口をつけたスプーンや箸で食べさせない
- 赤ちゃんの歯が生えたら歯みがきを始める:仕上げみがきと、歯科医院での定期検診
お父さん・お母さんや祖父母の方が歯ぐきからの出血や口臭に心当たりがある場合は、ご自身の歯周病検査を受けることが、お子さんのお口を守ることにもつながります。
動画でも解説しています
関連ページ:子供でも歯周病になる?/歯周病の治療の流れ/歯周病専門医による治療
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