電動歯ブラシ比較|ソニッケアー・ドルツ・オーラルBの違いと選び方を歯周病専門医が解説

「電動歯ブラシを買いたいけれど、ソニッケアー・ドルツ・オーラルBのどれがいいの?」というご質問をよくいただきます。この記事では、3つのブランドの動き方と上位機種の機能を表で比べ、研究でわかっている違いと選び方を歯周病専門医が解説します。

この記事のポイント

  • 電動歯ブラシは、手みがきより歯垢や歯ぐきの炎症を減らす効果が高いことがわかっている
  • ソニッケアーは音波式、ドルツはW音波式、オーラルBは回転式と、動き方が異なる
  • 研究でのメーカー間の差は小さく、自分に合った1本を正しく使うことがいちばん大切
  • 20年以上さまざまな電動歯ブラシを使ってきた院長のおすすめはソニッケアー
  • 電動歯ブラシだけでは歯と歯の間は磨けない。フロスとの併用が大切

電動歯ブラシは手みがきより効果がある?

世界中の研究をまとめたコクラン・レビュー(2014年)では、電動歯ブラシは手みがきに比べて、3か月を超えて使ったときに歯垢が約21%、歯肉炎が約11%多く減っていました(1)。また、ドイツで約2,800人を11年間追った研究では、電動歯ブラシを使っている人は歯周ポケットの進行が少なく、歯を失う本数も少ない傾向がありました(2)。

つまり、「電動にするかどうか」は意味のある選択です。そのうえで、どのブランドを選ぶかを考えていきましょう。

3つのブランドの動き方の違い

音波式・W音波式・回転式の電動歯ブラシの動き方の違い

方式 主なブランド しくみ
音波式 ソニッケアー(フィリップス) ブラシの毛先が左右に細かく高速で振動する。毛先の周りに液体の流れが生まれるとされる
W音波式 ドルツ(パナソニック) 左右の振動に、毛先を歯に向かって動かす「タタキ」の振動を組み合わせる
回転式 オーラルB(P&G) 丸いブラシが左右に回転し、さらに細かい振動を加えて、歯を1本ずつ包むように磨く

上位機種の比較表

各ブランドの上位機種を、メーカーの公表情報をもとに比べました(2026年10月時点)。

項目 ソニッケアー
9900 プレステージ
ドルツ
EW-DT88
オーラルB
iO10
方式 音波式 W音波式 回転式+微振動
動きの速さ(メーカー公表) ブラシの動き 毎分約62,000回 ヨコ 毎分約31,000回/タタキ 毎分約20,000回 非公表
モード 6(舌みがきを含む) 5 7(舌みがきを含む)
押し付けすぎ防止センサー あり(強く押すとパワーを自動で調整) あり(音と光でお知らせ) あり(光の色でお知らせ)
磨き方のガイド アプリで押し付け・動かしすぎ・磨き範囲を確認 動かしすぎ・磨き角度のセンサー、アプリ連動 AIで磨いた部位を立体的に記録、アプリ連動
発売 2021年 2025年 2023年(日本)
実勢価格の目安 約4万円〜 約4.3万円〜 約5万円〜

※「毎分○回」の数え方はメーカーごとに異なるため、数字の大きさだけで性能は比べられません。価格は価格比較サイトでの目安で、時期や販売店により変わります。どのブランドにも、より手ごろな価格の下位機種があります。

研究で見た違い

音波式と回転式を直接比べた32件のランダム化比較試験をまとめた研究(2022年)では、回転式のほうが歯垢や歯ぐきの出血の指標がわずかに良い結果でした(3)。ただし差は小さく、指標によっては差がありませんでした。また、この分野の研究の6割ほどはメーカーの資金で行われており、結果の読み方には注意が必要です。

ドルツについては、他の方式と直接比べた査読付きの研究はほとんど見当たりません。

まとめると、どのブランドを選んでも、手みがきより効果が期待でき、ブランドどうしの差は小さいといえます。差がつくのは、毎日正しく使えるかどうかです。

院長のおすすめはソニッケアー

そのうえで、私(院長)が患者さんにおすすめしているのはソニッケアーです。

  • 音波歯ブラシの先駆けで、多くの特許技術を持っている:ソニッケアーは音波式の電動歯ブラシをいち早く製品化し、ブラシヘッドの形や押し付けを感知する技術など、さまざまな特許技術を開発してきました。研究に使われている数も多いブランドです。
  • 歯ぐきにやさしく当てやすい:毛先を歯と歯ぐきの境目に軽く当てておくだけで磨けるため、歯周病の方に大切な「歯ぐきの境目」のケアをしやすい方式です。押し付けすぎるとパワーを自動で調整する機能もあります。
  • 院長自身が20年以上使い続けている:私は20歳のころからソニッケアーを使い続けて20年以上になります。その間、オーラルB、ドルツ、ソニッケアーキッズ、クラプロックスの電動歯ブラシなど、ほかにもさまざまな電動歯ブラシを実際に自分の口で試してきました。そのうえで、毎日の使い心地、歯ぐきの境目への当てやすさ、替えブラシの続けやすさを総合して、今もソニッケアーを選んでいます。

電動歯ブラシを使っても、フロスは欠かせません

どんなに良い電動歯ブラシでも、歯と歯の間の汚れは取りきれません。歯周病は歯と歯の間から進むことが多いため、電動歯ブラシに加えて、毎日1回はフロス(または歯間ブラシ)を使いましょう。

私のおすすめのフロスは「フロアフロス」(オーラルケア)です。ふつうのフロスは歯と歯の間に通して使いますが、フロアフロスは歯と歯ぐきの境目の溝(歯肉溝)にも入れて使うのが特徴です。

  1. 歯と歯の間にフロスを通す
  2. 歯の面に沿うようにフロスをU字に曲げる
  3. 歯ぐきの溝に軽く入れ、歯の面にこすりつけるように上下に動かす
  4. 隣の歯の面も同じように行う

イタリア製のやわらかい糸を使っているため、歯ぐきの溝に入れても痛みを感じにくく、使ったあとは歯の根元(歯頸部)がとてもすっきりします。これまでのフロスにはなかった感覚です。歯ぐきから血が出る場合や強い痛みがある場合は無理をせず、歯科医院でご相談ください。フロスに慣れていない方は、まず奥歯の間から始めてみてください。使い方は「歯周病予防におすすめのデンタルフロス」でも解説しています。

なお、当院ではソニッケアー本体と替えブラシを販売しています。もちろん、すでにお持ちの電動歯ブラシがあれば、それを正しく使っていただくのがいちばんです。

こんな方はこう選ぶ

お悩み・状況 選び方のポイント
歯ぐきが下がっている・しみやすい 押し付けすぎ防止センサー付きで、やわらかいモードがある機種を選ぶ
歯周病の治療中・治療後 歯と歯ぐきの境目に当てやすいヘッドを選び、歯間ブラシやフロスと併用する
インプラントがある 押し付けすぎ防止センサー付きを選び、インプラントの周りは軽い力で当てる
矯正装置をつけている 小さめのヘッドで、装置のまわりに1本ずつ当てる
手に力が入りにくい・ご高齢 持ち手が太く軽い機種を選ぶ。電動歯ブラシは手を動かす量が少なくてすむ

電動歯ブラシの正しい使い方

  1. 歯みがき粉は少なめにし、研磨剤の少ないものを選ぶ
  2. ブラシを歯と歯ぐきの境目に45度くらいで軽く当てる
  3. 手でゴシゴシ動かさず、1〜2本ずつゆっくりずらしていく
  4. 全体で2分を目安に、すべての面に当てる
  5. 歯と歯の間は、歯間ブラシやフロスで仕上げる

電動歯ブラシでも、歯と歯の間や歯周ポケットの中の汚れは取りきれません。定期的なメンテナンスで、磨き残しのチェックとクリーニングを受けましょう。

参考文献

  1. Yaacob M, et al. Powered versus manual toothbrushing for oral health. Cochrane Database Syst Rev. 2014;(6):CD002281.
  2. Pitchika V, et al. Long-term impact of powered toothbrush on oral health. J Clin Periodontol. 2019;46:713-722.
  3. van der Sluijs E, et al. Efficacy of oscillating-rotating versus high-frequency sonic power toothbrushes: a systematic review and meta-analysis. Int J Dent Hyg. 2022.

あわせて読みたい:ソニッケアーはどのモデルを買うのが一番良いのか?/電動歯ブラシ『ソニッケアー』の魅力/歯周病予防におすすめの歯ブラシは?磨き方は?

関連ページ:歯周病治療/料金表

執筆:福嶋太郎(福嶋歯科医院 院長/日本歯周病学会 歯周病専門医)

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