PRGFを用いた前歯の骨造成とインプラントの症例

PRGF Endoretを使ったGBRをしてから6ヶ月後の状態をCTにて確認した写真です。歯槽骨が再生している状態が確認できます。

「骨が足りないのでインプラントはできない」と言われた方へ。

この症例は、歯根が割れたことで前歯の歯槽骨が表側から裏側まで失われた状態から、患者さまご自身の血液から作るPRGF(Endoret)を用いて骨造成を行い、インプラント治療を行ったケースです。ご自身のお口の状態でインプラントが可能かどうかは、インプラントができる口腔状態とはもあわせてご覧ください。

関連ページ:歯周病専門医が考えるインプラント/インプラント治療の流れ/インプラント周囲炎/採血についてのご説明/料金表

執筆:福嶋太郎(福嶋歯科医院)

治療前
治療前
治療後
治療後
主訴 左上の前歯が折れてしまい、インプラントで治したい
治療内容 この方は上顎の左上の前歯が折れてしまいインプラントでの治療を希望された方です。

実は歯根が割れてしまうと割れ目に沿って歯槽骨が吸収してしまうのですが、この患者様の場合は歯根の面から裏にかけて歯根が割れてしまったため、表側から裏側まで歯槽骨が完全になくなってしまっている状態でした。

通常はメンブレンと言われる膜と人工骨を使用して骨造成を行いますが、歯槽骨の吸収状態から技術的に難しいためPRGF Endoretを用いた歯槽骨の再建手術が最適だと判断いたしました。

PRGF Endoretは患者さまご自身の血液を採取し、それを遠心分離にかけて血小板を濃縮して取り出す技術です。
血小板は濃縮すればするほど良いというものではなく、2倍程度に濃縮するのが傷を治したり再生させたりするのに適しているということが多くの研究から分かっており、福嶋歯科医院で使用している遠心分離機は血小板を2倍に濃縮することができる装置を使用しています。

また、遠心分離機にて血液を血小板と赤血球に分けていくのですが、同時に白血球も分離させ、血小板に白血球が含まれないようにもしています。

白血球を含まない血小板にすることで、免疫反応を極力抑え、術後の腫れや炎症を抑える効果も期待しています。

実際にこの患者様の場合も術後の腫れが少なく、痛みも極力抑えることができました。

歯槽骨が足りないことを理由にインプラント治療を断られる患者様が多いですが、PRGFを使った骨造成術を行う事で大きく歯槽骨を再生することができ、インプラント治療をより安定した状態で行うことができます。

ここに示しているCT画像は術前と術後6ヶ月後の状態を比較したものです。術前は前歯部歯槽骨が全くなく、インプラントを埋入する余地がありませんでしたが、術後では十分な歯槽骨が確認できます。
患者様の年齢 40代
患者様の性別 女性
治療期間 約1年(骨造成から6か月待機後にインプラント埋入、上部構造装着まで)
治療費 979,000円(税込)費用にはPRGFを用いた骨造成(税込220,000円)、インプラント埋入手術(税込484,000円、5年保証への登録料を含む)、上部構造の製作・装着費用(税込275,000円)を含みます。
治療で得られるメリット 歯槽骨をなるべく作ることでよりインプラント治療においてより自然な歯の形にすることができます。歯槽骨が十分にないと長い歯になるだけではなく、プラークが溜まりやすくインプラント周囲炎などになりやすい状態となってしまいます。
治療する際に起こる
リスク・副作用
外科処置のため、術後に腫れ・痛み・内出血が出ることがあります。感染や傷口が開くことにより、骨の再生が期待どおりに得られず、追加の処置が必要になる場合があります。骨が成熟するのを待つため、治療期間は長くなります(本症例は約1年)。PRGFは採血が必要です。血管の状態によっては採血できない場合があります。治療の結果には個人差があります。自費診療(公的医療保険の適用外)です。本治療は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、再生医療等提供計画を厚生労働省に提出して実施しています(計画番号:PC3210013)。

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